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インターン生に、はてなはすごいと思わせたはてなの何か。

 以前報告したとおり、株式会社はてなの『はてなエンジニアインターン2011』に参加してきました。はてなインターンは8月の中旬から9月の初めまでの約3週間のプログラムでした。その中で僕自身多くの事を経験し、また学ぶ事が出来ました。これは、いわゆる「お決まりの言葉」ではなく、本当に実感している事です。

 今回はそのインターンのレポートを書かせて頂くのですが、僕はもともとはてなの主たるサービスであるWebアプリケーションについての深い知識と経験を有していませんでした。そんな僕が技術的な部分の話を詳しくしてもつまらないので、代わりにインターンを通して技術面以外で深く印象に残った、でもあまりに表に出ていない様な事を幾つか綴ってみたいと思います。

はてな社員は弱音を吐かない

 インターンが始まって僕が特に気になったのが、オフィスのどこからも「めんどくさい」「やりたくない」「そんなの無理」などの後ろ向きな言葉が全く聞こえてこなかった事です。どんなにポジティブな人でも、疲れてポロッと言ってしまいそうな事も全然聞こえてこないのです。これは、はてな社員の方々の日頃のコミュニケーションに起因するものだと思います。僕がはてなにいたのは、ほんの3週間でしたがその一片を見せて頂きました。はてなには、団体意識を高めるコミュニケーション個人意識を高めるコミュニケーションが混在し、それらがバランスよく作用しあって社員の方々のモチベーションに繋がってるようでした。

団体意識を高めるはてなのコミュニケーション

 サービスの開発は基本的にはチームで行いますので、チームワークは大切です。チームワークとは各メンバーがチームに所属しているという事を自覚し、チームの状況をきちんと把握する事や、必要に応じて意見・妥協する事だと思います。

 まず、はてなの社員の方々、バイトの方々、インターン生は皆同じ時間に同じ物を食べます。食べながら、毎日違った人と違った話をします。僕自身、インターン生同士はもちろんの事、近藤社長や普段は話せないディレクターの方々と直接お話させて頂く機会もありました。同じ釜の飯を食った仲という表現がありますが、とても日本的な交流でほのぼのした空間がそこにあり、それは職種を問わず誰とでも意見交換を出来る場でした。

 他にも、はてなの社内には拍手が伝染病の様に広がる現象があります。オフィスのどこかで拍手が起こると5秒後にはオフィス全体が拍手喝采しています。おそらく、遠くにいる人は自分が誰に拍手をしているのかも分からないのでしょうが、されてる方は嬉しくなるものです。製品完成やリリースの喜びを社員全員で分かちあい、社員一丸となって全てのサービスを競いながらも応援し合う姿を見せつけられました。

 もう一つ驚いたのが、エンジニアが会社の儲けについて話していた事です。「収入が〇〇で利益が××どうたらこうたら。」これは、社内で必要な情報がきちんと交換されている証拠だと感じました。僕は、エンジニアが会社の経営状態や置かれている状況を把握している事は、とても大事だと思っています。それによって技術面の的確なアドバイスも出来ますし、数字として評価が見えるのはプラスになります。

 はてなでは、社員の方それぞれが、自身が開発チームに所属し、また会社という大きな一つのチームにもいる事をしっかりと認識しているようでした。

個人意識を高めるはてなのコミュニケーション

 僕が思う個人意識とは、自分がチームの一員である事の認識です。団体意思を尊重しつつ、自分で考え行動する力です。もっというと、自分を認め他人を認める事であり、簡単にいうと自信です。いわゆる自己啓発なのですが、はてなのやり方は面白い物でした。

 はてなには、毎朝社員が集まって報告し合う朝会なるものがあり、一通り報告が終わったら誰か一人が前で話す場があるそうです。お題は何でもよく、毎回面白い話が聞けるそうです。僕はよく知らない人に指示・説教されるより、よく知ってる人にされた方が信用できます。ですから、こういう風に個人が自己主張し、周りがその人の事を知る機会があるのはやはりプラスになる様です。

 また、はてなに来た時に繰り返し言われたのがこれです。「分からない事は聞いてください。一人で考えてる時間は無駄なので、ちゃんと聞いてください。」Webアプリケーション開発の知識が壊滅的だった僕は何をするにもかなり苦労しました。分からない事しかなかったのです。ですから、呆れられるのを覚悟で質問し続けるしかありませんでした。しかし、誰一人ため息一つつく事無く教えて下さいました。僕が技術的にも精神的にも、これにとても助けられたのは言うまでもありません。

 このような事が、個人がチーム内で自身の居場所を確立する事に繋がっているのだと感じました。はてなの社員方々は、ただ会社の歯車になるのではなく、それぞれが色を持ち輝いて見えました。

社長の想い

 もう一つ、忘れたくないと思った事があります。インターンが始まって2週間がたった日の夜、はてなのディレクターの方々と交流する場を頂きました。僕は近藤社長とお話させて頂いたのですが、その時にある疑問をぶつけてみました。


 インターンでお金を貰える仕組みが分からない。三週間もオフィスに居座って社員の方々の時間と労力も奪ってしまっているのに、その上給料まで出してもらえるのはなぜか。

と言ったふざけた内容だったのですが、その疑問に近藤社長は答えてくれました。


 確かに働いた事をいい経験として、それだけを持って帰ってもらう事も出来る。でも、せっかくの休みを3週間も使って来てもらうんだから出来るだけ多くの物を得て欲しい。お金を与えて優秀な人材を囲っていると思われる事もあるかもしれないが、給料を出すことで「働く」ということをもっとよく理解できると思う。それに、今回インターン生がこなした講義の内容を今度社員でもやってみるつもりだ。これは少なからず僕達もインターン生に来てもらう事で学んでいる事があるから。

 残念ながらメモ帳を持ち合わせていなかった上、お酒も入っていたので僕の勝手な解釈が多分に入っているかと思います。しかし、その言葉に胸を打たれた事はハッキリと覚えています。はてなの皆さんの中で、インターン生を受け入れる事は社内に新しい風を取り入れる感覚に近いのではないかと感じました。まだ、技術的にも人間的にも未発達は僕達をオフィスに迎え入れる事によって、新しい視点や考え、文化を取り入れようとしているようでした。こう考えると、僕のようなインターン生でも与えてもらうばかりではなく、何かを残せるのではないかと期待してしまいます。それはとても嬉しい事だと感じたのでした。

 この講義内容というのはサービス企画の講義で「10分間のブレインストームで出てきたアイデアを形にする」というものです。書きだして発表し描いて議論する、一見めんどくさい内容です。しかし、実際にその講義内容の一部を、後日社員の方々もされたそうです。それ聞いて、はてなのフットワークの軽さと新しい物を取り入れる勇気を改めて感じさせられました。

見えないものを意識する

 僕は、はてながすごい組織だと思えるのは「見えない物もちゃんと意識する」というスタイルだからだと思います。直接効率に結びつかない物が、間接的に効率に結びつく事はよくあります。例えば、感情です。仕事なんだから割り切ろうとしても、落ち込んでいるときは作業効率が落ち、嫌いな人とは意思疎通が難しいものです。上で書いてきたことは全てそこに集約します。

 コミュニケーションもそうです。コミュニケーションをとれというのは簡単ですが、実際にとろうとすると意外に難しいのです。だから、一見時間のムダに見えるような事をしてもコミュニケーションや自己表現の場を提供しています。それが結果として、社内の雰囲気に何らかの影響を与えているのだと思います。

 オフィスのお菓子や飲み物が飲み放題食べ放題な事にも、座敷でくつろげる事にも、ご飯が美味しい事にも、どれをとっても同じ事が言えると思います。はてなは、社員にとって居心地のいいオフィス作りなどの手間や時間、お金もかかる事に多く取り組んでいる会社です。それらは直接会社の業績や収入アップに繋がるものではないですが、全て間接的に作用して好循環しているんだと思いました。

まとめ

 レポートとして、報告したい事はたくさんあります。僕自身が自術者の卵として学んだ専門知識や技能は数えきれません。はてなのインターンシップとは3週間という限られた時間で発見と経験が押し寄せてくる、そういう場所です。もしこれを読んでいるあなたがこの先、はてなのインターンシップに参加する事があれば、オフィスを見渡して小さな事にも目を向けてみてください。想像以上の事が学べると思います。

最後に

 なんだか、ものすごく長くなってしまった事、また上から目線になってしまった事をお詫びすると共に、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。書き終わってから、僕自身「なんだか宗教じみた褒め方だなぁ」とか思ってしまいました。ですが、僕の率直なインターンの感想です。技術面で学んだ事はほんとに多くありましたが、それ以外にも学べる事がたくさんあった事が伝われば幸いです。
 また、個人的にも感謝しお礼をしたい方が大勢いますが、今回の記事では省かせて頂きました。メンターの方々、ディレクターの方々、インターン生の皆さん、その他にも多くの方に迷惑をお掛けし続け、お世話になり続けました。本当に有難うございました。